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脳がウソをつく?~子どもの生きる力を育む必須な脳力

東京女子医科大学の岩田誠先生によるお話しですが、

ある情報が脳に伝わるとき、大脳の前方と後方では、同じ情報でも、

その処理の仕方に違いがあるそうです。

例えば、目の前においしそうな苺のケーキがあったとします。

ケーキが大好きな人にとって、それを「食べたい」と思うのは、

人間の本能として、ごく自然な当たり前のことです。

この、ごく自然な欲求に正直な指令を出すのが、脳の後ろ側(後方連合野)で、

この部位を「正直脳」と呼ぶそうです。

また、一方で、「これは他の人のケーキかもしれない」とか

「もしかしたら、腐っているかもしれない」「だから、とりあえず食べない方が良い」

などと、判断することができます。

この、「食べたい」という気持ちにストップをかける働き、

つまり、「正直脳」の指令通りに行動した場合の“仮の結果”を予想して、

その行動を実行するべきかどうかを判断するのは、

脳の前側(前方連合野)の部分が司り、「ウソつき脳」と呼ばれています。

なぜ、「ウソつき」呼ばわりされているかというと、

岩田誠先生によれば、ウソつき脳の「ウソ」とは、

「仮想現実」を形成すること だそうです。

つまり、人間の脳は、外界のあらゆる感覚情報、

自分の過去の体験や自分の知っている知識、

他者の体験も含めたうえでの知識等、たくさんの情報を基に、

実際には見えていないもの、聞こえていないもの、

現実に起こっていないことを仮に想像することができるということです。

例えば、「デブ」「ハゲ」など、言われたら傷つく言動というものがあります。

これも、「正直脳」の観点からすれば、

正直に視覚情報を言葉で表現しただけ、なのかもしれません。

(残酷なほど、正直すぎると思いますが・・・(^-^;) )

しかし、「ウソつき脳」は、過去の自分の経験や知識等を、総合的に活用して、

「デブとか、ハゲと言われる側は、きっと、とても辛い気持ちになるだろう。」という

「仮想現実」の形成をします。

すると、「言わない」という行動を選択することができるのです。(人間ってすごい!)

他にも、特に子どもは、「やりたい!」という気持ちが大きく、

「やってはいけないこと」をやってしまいます。

「やってはいけないこと」を「やらない」ために、

子どもの「ウソつき(=仮想現実を形成する)脳」を育てていかなくてはなりません。

そのためには、「好きにしていいよ」と子どもを放任して、

良い事をしても、悪いことをしても、無反応でみていると、

子どもの「ウソつき脳」は、育ちません。

何が良い事で、何が悪いことなのか、わからないままになってしまいます。

ただ、悪いことをしたときにだけ叱り、

良い事をしたときには、無反応だとか、

「当たり前のことだ」と褒めないでいるのも、よくないそうです。

良いことをしたときは、褒める。

悪いことをいたときは、叱る。

子どもの脳内で、すべての行動が同じ価値で、善悪の区別も分別もつかないのは、

子ども自身にとっても不幸です。



問題行動を起こす子どもは、この「ウソつき脳」(=仮想現実を形成する力)が

未熟と言われています。

自分の気持ちや状況を理解し、それを上手く表現したり、コントロールしたりすることは、

大人にとっても、簡単なことではありません。

岩田先生は、豊かな経験 + 適切な評価 が

健全な「ウソつき脳」を育てると、おっしゃっています。

適切な評価。 

これはとても難しいことなのですが、

子どもの情操教育をする上で、必ず、ぶつかるのが、親(自分)自身の情操です。

自分は、何を善とし、何を悪としているのか、

その境界はどこなのか、

明確な基準なのか、

トラウマや偏見、感情のままに流されていないか、

など、自分育て(=育自)から始めないといけないのです。

よく、子どもというのは、

「親の 言うこと は、聞かないけど、親の すること は真似する。」

といわれます。

口で言うだけでは、まったく効果はありません。

ましてや、自分がやっていなければ、

言うこととすることが矛盾しているので、説得力はありません。

子どもは、そういうことを見抜く力を持っています。

あなどれません。

有名な人育成のお言葉をもじっていうなれば、

まず、自分がやってみて、

次に子どもにやらせてみて、

できたら褒める。

そうでなければ、子どもは、親の思うようには動きません。

ということではないでしょうか。

「ウソつき脳」という観点で、一つの事例があります。

親子で、テレビ視聴(DVDを含む)やゲームの時間を決めるご家庭が

多いのではないかと思います。

テレビやDVDを見せること自体の是非や、

時間の長さについては、ここでは問題としません。

これから、ご紹介するご家庭では、テレビやDVDを、

ある決められた時間だけはみていいということでした。

普段は、きちんと約束も守っていて、特に問題はありませんでした。

でも、ある日、ある事情によって、「決められた時間内」の定義が、

親と子どもの間で解釈にズレが生じました。

その日、子どもがお気に入りのDVDを見たいと主張しました。

親としては、決められた時間を越えた場合、

健康などの観点から、それを断固、拒否したいはずです。

子どもは、自分の気持ちを押し通したいと感じます。

約束の時間は守っていると主張します。

親は、決められた時間を越えていると思っています。

お互い、ごまかしているわけではありません。

ある事情により、解釈のズレが生じたのです。

ある事情とは、実は、親が見たい番組を、子どもが一緒に見ていたため、

決められている時間をオーバーしてしまったということです。

しかも、子どもはそれを見たいと思ってみていたのではなく、

親がテレビを見終わったら、自分の好きなDVDを見ようと、

単に「順番を待っていた」だけだと主張します。

その時間を除いて、子どもの好きなDVDを見るなら、

確かに子どもの主張どおり、決められた時間内です。



あなたは、子どもの主張をどう捉えますか?

ちなみにこの子は、3歳半です。

繰り返しますが、テレビやDVDを見せること自体の是非や、

時間の長さについては、問題としません。

もちろん、幼児、小学生、中学生、高校生、と子どもの年齢や

その子の性格に合わせて、捉え方や接し方は、変わってくると思います。

でも、あなたは、基本的には、「ダメなものは、ダメ!」と、見せないでいますか?

それとも、子どもの主張を受け入れて、見せますか?

このとき、子どものお母さんは、とても悩みました。

親が「ダメ!」と、強制的にすることは、簡単なことです。

でも、このお母さん自身が子どものときに、

子どもの意志を無視して、大人が力ずくでしたことに対して、

とても反発した経験がありました。

子どもは、大人の力の前では、太刀打ちできません。

力でねじ伏せるようにして、大人が子どもの意志を踏みつけるやり方は、

絶対にしないというのが、この方の方針でした。

たとえ、相手が幼児でも、意志をきちんと聞いて、

お互いが納得できるような方法をとりたいと思い、そうしてきたつもりでした。

今回のケースの場合、もし、子どもの主張を受け入れて、DVDを見せれば、

大人の立場としては、子どもの目の健康が気がかりなこと、

また、色々な理由をつけては約束を破るきっかけになるのでは、

という懸念がありました。

もっともらしい理由は「目が悪くなるから、明日、見ようね。」ということです。

でも、子どもは納得しません。

「見たい。見たい。」の一点張りです。



お母さんは、どうしていいかわからず、自分の気持ちを正直に、優しい声で言いました。


母親:「そうかぁ。テレビの順番を、待っててくれたの。

ママが見たいテレビを、見せてくれたのね。ありがとう。

ママが、テレビ見るのを終わるまで、ちゃんと、おりこうさんに待っててくれたのよね。

今度は、自分の番だと思ったんだよね。・・・そうだよね。

だって、待ってたんだものね。」

子どもは、「うわ~ん。」と泣き始めました。



母親:「ママね、○○(子どもの名前)に、DVD、見せてあげたいけど、

目が悪くなるといけないから、どうしようかって、迷っているの。」



子ども:「大丈夫だよ。」



母親:「う~ん、大丈夫とは、思えないんだよね。 明日じゃ、ダメ?」



子ども:「今がいいの! 見たいの!」



母親:「う~ん・・・。困ったなぁ・・・。 ごめん。

ママ、本当にどうしたらいいか、わからない。

見せていいのか、わからないんだ・・・。」



そういって、子どもを抱き寄せました。

しばらく、考え込み、沈黙が続きました。

母親の困った様子を見て、しばらくして子どもは言いました。



子ども:「あのね。我慢する!」

母親:「え?」

子ども:「我慢できるよ!」といって、にこっと笑いました。


そして、ちゃんと我慢して、その日はテレビを見なかったそうです。



(これは実話です。)

このお母さんは、自分の無力さと子どもの言葉に、思わず涙を流しながら、

ぎゅっと抱きしめたそうです。

正直脳、ウソつき脳の観点からすれば、

3歳半のお子さんの正直脳は「DVDが見たい!」です。

でも、「ウソつき脳」では、「目が悪くなるってお母さんは言ってる。」

「お母さんが困っている。」「お母さんにいい子ね、ってほめられたい」など

事情を、その子なりに察したため、「DVDを見るのを我慢する」となっています。



お母さんは、「自分のやり方が正しいとは思っていないし、

今でも本当は、親としてどうしたら良かったのか、わからない。

でも、子どもが、自分の意志で我慢すると言ってくれてうれしかったし、

その気持ちを子どもに伝えた。」と、おっしゃっています。

欲求を理性でコントロールするとき、自分で自分にOKが出せたり、

「やらされている」感覚ではなく、自分の意志で選択したと感じることができることが、

とても大切だといえます。


もしも、悩みがあるのなら、ぜひ、ご相談ください。

お待ちしております。